3.フュリアス・ジョージのプレースタイル

伝統的に、オフェンス・ディフェンスともに高い身体能力を武器にした1対1の戦いが得意。すなわち、マン・ツー・マンでは圧倒的に力を発揮する。特に、ロングシュートやダイビングブロックなどダイナミックなプレーが魅力で観衆の受けも極めて高い。しかし、ゾーン系はオフェンス・ディフェンス共に不得意の感は否めず、ドッグやコンドルズなどチームとしての完成度が高いチームに敗北を喫する状況がここ数年続いていた。しかし、2002年では苦手とされていたゾーン・オフェンスに大幅なレベルアップが見られ、、今まで通りの身体能力は生かしながらも、非常に堅実なオフェンスができるようになった。それに加えて、ゾーン・ディフェンスも完成度が増したオリジナル・2-3-2をはじめ、1-3-3、SFU(ジャンク)などバリエーションもでき、得意のマン・ツー・マン・ディフェンス以外にも使える戦術が増した。このことは、結果的にマン・ツー・マンをより効果的にさせることとなった。
オフェンスでの大きな特徴はフラットスタックと呼ばれるホライゾンタルスタックの一種をメインで使用すること。これは、攻め進む方向に対して並行にスタックを組むバーティカルスタックに対して、90度スタックの向きが違う。つまり、コートに対して横にスタックを組むのだ。これは2000年にジャーマンオフェンスやスウィディッシュオフェンスなどのホライゾンタルスタックを多用するヨーロッパチームのオフェンスからヒントを得つつ、自分達の身体能力・技術を生かすために考案されたらしい。今では、北米のトップチームは多かれ少なかれ、このフラットスタックを使用している。
フュリアス・ジョージはオフェンスはこのフラットスタック無しでは語れず、マン・ツー・マン・オフェンスの約90%にフラットスタックを使用する。このオフェンススタイルでは、4人のレーンカッター全てに走力、スロー力が求められ、3人のハンドラーには絶対的なディスクキープ力が求められる。理想系では、4人のレーンカッターのうち誰もが自由にカットを踏むことにより、ディフェンスがブロックするのはより難しくなるとされる。従来のバーティカルスタックでは、ディスクをもらいに行く人が1人ずつカットしていくので、タイミングの良いポーチなどにブロックされるという欠点がある。フラットスタックでは、4人のレーンカッターがお互いのスペースを侵害することなく、それぞれがより大きなオープンスペースを使用できるうえ、フュリアス・ジョージにはもともと身体能力が高いプレーヤーが揃っているため、ディフェンスは困難を極める。
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